今回はアングル(Ingres 1780-1867)が、画学生時代に描いた習作の模写を紹介します。
チャレンジャーは、現役の美大生のMさんです。
勉強のための模写は、単に似せるのが目的ではなく、その絵を成り立たせている造形要素や技法を探求していくことに意味があります。まずは模写を始める前に、構図の分析を試みました。
当時のフランスの美術学校では厳格に描き方が定められていて、すべての学生はそれに従って制作していましたが、円弧や黄金比の扱い方にすでにアングルの趣向が表れています。
構造線を考えながらデッサンをトレースして、ヴァンダイクブラウンで影から塗り始めます。
着彩には次のような絵具を使いました。参考にしたのは、Moreau-Vauthier."Comment on peint aujourd'hui” という本です。
イエローオーカ、レッドオーカ、ヴァーミリオン、マダーレーキ、ヴァンダイクブラウン(カッセルアース)、スティルドガラン、バーントアンバー、シルバーホワイト、アイボリーブラック、
溶き油は、グザビエ・ド・ラングレの処方を応用しました。
肌の領域の中で最も明るい腕の部分から色を置いていきました
明度の変化に加えて、色相の変化にも注意してモデリングをしていきます。
当時の色合いを想定して、写真より茶色み(経年変化による黄ばみ)を抑えて仕上げます。
完成!
現役の美大生ですが彫刻科で、油絵はアトリエラポルトで学ぶのが初めてとの事でしたが、とても良い出来栄えです。原画に似てるだけではなく、解剖学的な正確さ、色相の変化を伴ったモデリング、筆触やマチエールも画像からの模写として限界に近く再現されています。油絵のおもしろさを味わって頂けたかと思います。
*制作の過程は、アトリエラポルトのインスタグラム laporte.2011でもご覧いただけます。











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