2012年4月20日金曜日

石膏像をグリザイユで描く

T君が、サイト・サイズ法で石膏像のグリザイユに挑戦しました。




キャンバスに直接木炭でデッサン。























使用絵具:
シルバーホワイト、アイボリーブラック、ローアンバー


サイト・サイズ法で、常に対象を見比べながら進めて行きます。 (サイト・サイズ法については、昨年7月のブログをご覧下さい)












シルバーホワイトとアイボリーブラックをベースに描いていきます。

この時注意したいのは、白の油絵具は混色する相手の絵具を明るくしますが、色味を冷たくします。暖かい光で自然なモデリングを感じさせるために、ここでは少量のローアンバーを明部に加えています。












細部に囚われずに、大きな形と陰影を捉えています。




その後で、細部の形を加えていきます。










完成 (P12号)



初めての丸彫り石膏像のグリザイユでしたが、実に見事な出来栄えです。筆触や絵具の厚みの表現も効果的です。



2012年4月6日金曜日

印象派の技法を取り入れて

印象派の技法を取り入れて、風景画の制作を試みているNさんの作品を紹介します。




女神湖 M12号




八ヶ岳 M12号





妙義山 F15号




印象派のイメージは、一般的に「見た印象をすばやくスケッチ風に捉えたもの」と考えられがちですが、モネの「積み藁」や「ルーアン大聖堂」の連作など、時間をかけて入念に絵具が重ねられている作品も少なくありません。アトリエでじっくりと構図や色の組み合わせを考えながら、自分のイメージする色合いに近づけていくのも楽しいものです。







 使用した絵具:
パレットには、スペクトル(虹の色)にできるだけ近い絵具を選んで並べています。

レモンイエロー、カドミウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムレッド、ローズマダー、コバルトバイオレッド、ウルトラマリン、コバルトブルー、セルリアンブルー、ビリジャン、カドミウムグリーンなど

これらの絵具にあらかじめ白を加えて、明るい系列のトーンを作っておくと作業がしやすくなります。