この転写した線を手がかりに、トレーシングペーパー上で、再度デッサンをおこないます。構図の線や、直線的・曲線的つながりのコンストラクションを捜しながら、形の理解を深めていきます。
地塗りを十分に乾かした(1ヵ月以上)キャンバスに、デッサンを転写(転写方法は7月4日のブログを参照)した後、テール・ド・カッセルで、陰影をつけていきます。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg7WVLsRQp7zUrnec0ujivrnqqFouqc-UveWOsWuUMKLvZJcHQP2n34xbjCUVb8sKSTxj3WWzyjzs-EsaeWsC3tKaCTm8AC24tBO74Q-5pk4Ajr9Wz4mH6lUNCU-YsqvoTN36DaeI-zXtQ/s320/%25E7%2594%25BB%25E5%2583%258F+478.jpg)
テール・ド・カッセル(別名:カッセルアース、ヴァンダイクブラウン)は、20世紀以降のほとんどの技法書で、退色やひび割れの原因になるので、その使用を避けるように書かれています。しかしながら、17世紀から19世紀にかけて、頻繁に使われた顔料で、そこから生まれるグレーの美しさは、ヴァンダイクをはじめ多くの画家に好まれました。前回紹介したグーリナの本にも、ダヴィッドがテール・ド・カッセルを使っていたと書いてあります。
描き進むにつれてテール・ド・カッセルに少量のレッドオーカーを加えて、寒暖のニュアンスを与えます。
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