2015年9月6日日曜日

究極の石膏デッサンを目指して再チャレンジ

前にブログ(2015年3月18日)で紹介したN.kさんが、もう一度究極の石膏デッサンを目指して制作されました。石膏像も前回と同じ「髭の男」です。


まずは直線で対象の形と構造を徹底的に探していきます。
このような捉え方は一見無骨で遠回りの作業のようですが、形の変わり目やアクセント、線の長短の組み合わせが明瞭に意識できるようになり、曖昧な形になるのを防ぎます。

暗部から描いていきます。

明部を囲むように暗部を配置するような意識が大切です。そうすることで白い背景から白い石膏像が浮き上がって見えてきます。

暗部が決まったら、明部のモデリングに移ります。

明部の白さ(明るさ)を保ちながらモデリングするには、現実の印象より明るくデリケートに行なう必要が生じます。


















全体のコントラストを前後関係や奥行きに従って調整しながら、細部を描き込んでいきます。















「髭の男」 画用紙に鉛筆 (650×500)






週2回(5時間)の受講で約2ヶ月半かかって完成しました。

すでに若い世代の写実系画家として活躍しているN.kさんだけに、素晴らしい出来栄えの石膏デッサンになったと思います。

まさに「究極の石膏デッサン」と言いたいところですが、若干首から肩にかけて落ちている髭の影が強過ぎます(特に輪郭)。結果として、顔や髭の美しいレリーフを目立たなくしています。

人口光線を使うと実際にこのように見えるのですが、絵の中では、「最も美しいところが、最も美しく見えるように」コントラストを微妙に調整しなければなりません。それが作者の表現となっていくのだと思います。




とは言え、これだけの石膏デッサンを目測で描くのは大変な技術です。自信を持ってこれからの制作に挑んでいって下さい。

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