2016年8月1日月曜日

19世紀の技法に魅せられて : 2

左:原画  右:模写

H.mさんの模写が完成しました。


このようなクラッシックな絵のマチエールを得るには、生乾きの状態で絵具を塗り重ねるのが基本となります。H.mさんには週2回午前・午後のペースで集中的に制作して頂き、約1カ月半でし仕上げました。










模写:キャンバスに油彩 (560×490)





H.mさんは、すでにアトリエラポルトで模写を経験していますので、今回は特に技術的なアドバイスをすることはありませんでした。

模写は単なる原画の引き写しではなく、原画の中の様々な技術的・造形的工夫を発見していくことに意味があると思います。















例えばこの模写で最も苦労した所は肌のデリケートな中間色の作り方で、原画は塗り重ねの効果(オプティカルグレー)で出しているのに対し、模写ではパレット上での混色に頼りがちです。

結果として原画と比べると、明度の差が強く感じられます。それが失敗と言うのではなく、新たな課題の発見と考えて頂けたらと思います。















とは言っても、時間的制約のある教室で、これだけ完成度の高い模写を短期間で仕上げた技量と集中力には驚かされます。

この経験が、H.mさんの制作に生かされていくことを願っています。










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