今回もちょっと変わったモチーフを描いた木炭デッサンを紹介します。
作者のMさんはアトリエラポルトでデッサンを初めて2年目のOLさんです。石膏デッサンを学びながら、自分で探したモチーフのデッサンもおこなっています。カニの剥製は自ら購入したもので、それに講師がジオラマ風の台をセメントで作りました。
今回は背景も含めて現実の明暗を再現するようにしたので、次のような画材を選びました。
紙:キャンソン社 ミタント紙(グレーの中間色)
木炭:伊研 No.830(ヤナギ炭) No.980(ミズキ炭)
チャコール鉛筆:黒 白
擦筆、練り消しゴム
モチーフにデッサンの基準となる中線をおろし、硬めの木炭(ミズキ)を使って線で形を取ることから始めました。
モチーフが白いシルエットとして浮かび上がるように暗い背景から明暗をつけていきます。
(ヤナギ木炭を使用)
大きな面は木炭で、細部はチャコール鉛筆で描き込んでいきます。
木炭を塗る時のコツは、同じ明度でも木炭を布や擦筆でこすると引っ込んで見え、こすらずに紙の凹凸の上に乗せると手前に出たように感じます。この効果を利用すると暗い領域の中での前後関係が表しやすくなります。
最後にチャコール鉛筆の白で明部の明るさとハイライトを加えて完成です。
石膏デッサンで学んできた事が生かされた作品になったと思います。
単に対象を写真のように引き写すのではなく、明暗の組み合わせや形のボリュームの出し方を工夫をして、よりクリヤーな形態と空間を感じさせるデッサンです。
色を使った作品を楽しみにしています。
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