2023年12月22日金曜日

額の修復 1

 今回は前回修復をした絵が入っていた額の修復について紹介します。
おそらく絵の描かれた1850年頃からかなり経って、最初の修復が行われた時に付けられた額だと思います。それでも十分にアンティーク額と言えるもので、ロココスタイルの装飾が美しく絵にとても合っています。

しかし残念な事に、コーナーの装飾が1箇所欠損していました。


欠損箇所の再生にはエポキシパテを使いました。
エポキシパテは大変優れたパテで、欠損部分によく着いて乾燥後は丈夫で収縮やひび割れもおこりません。
容器に入った棒状のパテを、必要な量に切って練ると硬化が始まります。


硬化するまでの5分~10分の間に成形します。
硬化後に削ることを考えて少し大きめに作りました。



硬化してからルーターで周囲のレリーフに合わせて彫っていきます。



金色を塗る前の下色として、アシェット(箔下とのこ)に似た色のアクリルガッシュを塗ります。




この上からラウニー社製のゴールドフィンガーを使って金色にします。
ゴールドフィンガーは6色ほど発売されていますが、今回はその中からアンティークゴールドを選びました。



ゴールドフィンガーは文字通り指で塗ります。




塗り終わったところです。


つづく。

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