2026年7月30日木曜日

絵画史に影響を与えた色環を作る

 今回は色相環の制作を紹介します。
色相環の制作は、色の分類と整理、対比現象、そして混色についての理解を深めていくのに有効な手段です。現在日本ではマンセルに基づく色相環が主流ですが、アトリエラポルトでは絵画史に大きな影響を与えた2つの色環の制作を薦めています。



テキストには、Édouard FER の ”Solfège de la couleur” を使用しています。。1958年にフランスで出版されたもので、多くの図版と共に絵画史に沿った色についての解説で、絵を描く方にはとても参考になる本です。



色相環の1つ目は、シュヴルール(Chevreul 1786-1889)の考えたもので、赤・青・黄の三原色とそれらの混色に基づいた色環です。



教室では油絵の制作に使用するカドミウムイエロー・カドミウムレッド・コバルトブルーを使います。コバルトブルーには少量のシルバーホワイトを加えて明度を調整します。


出来上がった色相環を見ると、3つの絵具の混色から12色ができることがわかります。シュブルールはこれを基に色の分類と整理をおこないました。この色相環は、直径線上の色の並置は相互の色を引き立て合い美しい配色になること(同時対比)を明示し、ドラクロワや印象派の画家達に大きな影響を与えました。ただ、絵具は減法混色になるので、混色で作った色は原色より彩度が下がります。(特に赤と青の混色に顕著に表れます。) 実際の制作では、1次混色でできた色を彩度の高い絵具に置き替えるとより効果的です。


色相環の2つ目は、O.N.Rood  の色相環です。


ルードの色相環の特徴は、太陽光スペクトルの色に基づいた加法混色を絵具で再現している点です。加法混色の結果として中心に白(白色光)が置かれています。
また、直径線上は補色になり、垂直線を境に左側が暖色、右側が寒色になるように配色されています。


印象派、特に新印象派の点描の一つ一つを見ると、この色環の中の色で描いていたのがわかります。


色相環の制作は手間がかかりますが、一度作ってみると色に対する認識が格段に上がります。
感覚的に扱われがちな色の世界に、客観的な拠り所を与えてくれる手段になると思います。





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