2019年2月2日土曜日

動画による人物デッサンの描き方 2

前回に引き続き、動画による人物デッサンの制作過程を配信します。
(再生時間:約7分)

20分ポーズ×12回の制作時間の後半部分です。
モデルは黒人の方で、日本では描く機会が少ないと思いますが、西洋絵画の中では肌の色をどう表現するかは、昔から画家の重要な課題で力量の試されるところでした。

使用画材:キャンソン社製ミタント紙(431)、木炭(ヤナギ)
     チャコール鉛筆の白と黒、擦筆
制作時間:20分ポーズ×12回
制作者:アトリエラポルト講師(藤木俊明)


まだ描き足りない気持ちは残りますが、デッサンはこれで終了とします。
モデルさんを見ながらの制作では、その時々で受けるモデルさんからの印象や見え方の違いと、作者が学んできた解剖学やプロポーションや構成法などの知識との、瞬時のやり取りがおもしろいところです。今回の動画でそれが少しでも伝えられたら幸いです。

次回は、このデッサンを基にした油絵の制作過程を紹介します。


2019年1月20日日曜日

動画による人物デッサンの描き方 1

今回から数回に分けて、人物デッサンの動画を配信します。
撮影条件に制約がある上に、初めての動画制作で不備な点が多々ありますが、参考になれば幸いです。(再生時間は約6分)

モデルさんは黒人の方で、逆光に近い条件での制作です。
中間色の紙に白と黒で描く、クラシカルな手法のデッサンです。

使用画材:キャンソン社製ミタント紙(431)、木炭(ヤナギ)
     チャコール鉛筆の白と黒、擦筆
制作時間:20分ポーズ×12回
制作者:アトリエラポルト講師(藤木俊明)







2018年11月24日土曜日

人物デッサン 参考作品3




ラポルト講師による人物デッサンの3回目は、黒人モデルさんによるものです。

加えてデッサンを基にした油絵作品も紹介します。







女性ヌードデッサン 540×380
中間色の紙に木炭、チャコール鉛筆の白と黒
(20分ポーズ×12回)



キャンバス(クレサン66番)に油絵具
(20分ポーズ×18回)

制作:藤木俊明


2018年11月17日土曜日

人物デッサン 参考作品2

前回に引き続きラポルト講師による人体デッサンを紹介します。

縁から陰影をつけていく過程の参考になれば幸いです。




女性ヌードデッサン 540×380
(20分ポーズ×10回)



前回と同じく中間色の紙(キャンソン社製ミタント紙)に白(チョーク、チャコール鉛筆の白)と黒(木炭、チャコール鉛筆の黒)を使用してます。 

陰影を付けているのに輪郭線がはっきり残っていて、違和感を感じる方もいるかも知れませんが、背景を描かない場合は、必然的に線がないと形が表せません。西洋のクラシカルなデッサン(印象派以前)では、当たり前におこなわれてきた方法です。それは、デッサンの本質的な目的が「存在する形」を表すことで、現象的な陰影を写すことではないからです。


制作:藤木俊明






2018年11月11日日曜日

人物デッサン 参考作品1

今回から、アトリエラポルトの講師が描いた人物デッサンを制作過程を何回かに分けて紹介します。

どのデッサンもグレーの中間色(キャンソン社製ミタント紙)に、白(チョーク・チャコール鉛筆の白)と黒(木炭・チャコール鉛筆の黒)で描いたものです。

プリュードン

中間色の紙に黒と白で描く手法は、すでにルネサンス時代からおこなわれていて、明暗法の発達とともにペンや水彩や木炭などさまざまな画材で試みられてきました。人体デッサンにおけるその極みは、プリュードン(Pierre-Paul Prud'hon 1758~1823)のデッサンに見ることができます。











まずは、硬めの木炭(ミズキ)を使って線で形を取ります。この時に、プロポーションと人体の形をできる限り正確に表すように努めます。

その後、現実の陰影を利用して形をモデリングします。





モデルを見ながらの制作では、時間的制約もあるので、興味を惹かれるところから描いていきます。


全体に影をつけた段階ですが、明部との堺を解剖学的に正確な形を表す位置になるように決めています。

















男性裸体デッサン 540×380
(20分ポーズ×12回)


クラシカルなデッサンでは、現象的な陰影の再現よりも、正確で美しい形が明確なボリュームを持って再現することが優先されます。

形体の変わり目の位置やアクセント、ハイライトの位置など、参考にして頂ければと思います。

制作:藤木俊明



2018年10月23日火曜日

日曜日 開講

皆様のご要望にお応えして、10月28日から日曜午後の部を開講いたします。
日曜日の昼下がりのひと時を、アトリエラポルトで本格的に絵を学んでみませんか?






2018年11月からの開講日は下記のようになります。

午前の部:10:00~12:30  金・土
 
午後の部:13:30~16:00  水・木・金・土・日

夜の部: 19:00~21:30  金

*祝日はお休み

受講料:チケット制で10回券 32,400円
登録料:5,400円(初回のみ)
*詳しくはホームページをご覧ください。




2018年10月12日金曜日

額の簡易な補修


公募展などに毎年出品されている方は、取り付けた額が傷んで戻ってきた経験があると思います。

今回は、右の写真のように、額の一部が欠けた時の簡易な補修方法を紹介します。










まずは、欠損部分をパテで再生する必要がありますが、そこでお勧めなのが木工用のエポキシパテです。

接着力が強い上に、速乾性(約30分で硬化)で乾燥によるパテの体積の変化も起こりません。乾燥後は、彫刻刀や紙やすりで削れます。




二層からなる円筒形のパテを、使う分だけカッターで切り取ります。

それを指でよく練って混ぜ合わせると硬化が始まります。
(注:エポキシパテは、皮膚につくとかぶれる場合があるので、保護手袋すること)





10分以内に欠損箇所にパテを押し付けます。
その後30分ほどで固くなりますが、その間にへらや彫刻刀を使ってオリジナルのレリーフに近くなるように成形します。











固まってからは、紙やすりなどを使って仕上げます。














今回は黒縁なので、色合わせにはアクリルガッシュを使いました。

アクリルガッシュは、乾くとマットになりますが、艶のない状態からニスやワックスなどを使ってオリジナルの光沢に合わせます。






黒の額ですが、下地にベンガラ色(ここではバーントシェンナを使用)を塗っておくと深みのある黒になります。












乾いてから黒(アイボリーブラック)を塗ります。













オリジナルがそれほど強い光沢がないので、今回はウールで磨いて艶を合わせました。









完成。

オリジナルと比べると荒い作りですが、簡易な補修としてはこの程度で十分です。
100号の額なので、ほとんど気にならないと思います。