2022年10月21日金曜日

ギャラリー・エスパス ラポルト

 1階のギャラリーへの改装工事がようやく終わり、試しに受講生の作品を展示してみました。




広さは約30㎡、天井高は最大で2.8m、8号~10号サイズの絵が20枚位飾れる壁面があります。

照明の色調と光量調整、ピクチャーレールの具合や実際に絵を掛けた時のワイヤーとフックの状態などを確認しながらの展示作業となりました。

照明はすべてLEDで、メインの照明は電球色(約3000K)と昼光色(約5000K)に切り替えられ、スポットは高演色性の昼光色を使ってます。

自然光も入り明るい空間に仕上がったと思います。


名称は、ギャラリー・エスパス ラポルト(Galerie Espace La Porte)で現在ロゴとホームページを制作中です。

今回の展示は、11月11日まで行いますのでお近くにお越しの際は是非お立ち寄りください。

住所:東京都中央区日本橋小伝馬町17ー9

時間:8:00~19:00 (土曜・日曜・祝日はお休みです。)


併設するお店(さとうストア)では、春蔵絵具やレトロな商品も扱ってます。










2022年9月16日金曜日

アトリエラポルトのギャラリー設営へ

 受講生の方々に支えられながらアトリエラポルトも始めてから11年が経ち、このほど念願だったギャラリーを設営する運びとなりました。現在アトリエラポルトの入るビルの1階を、11月のオープンを目指してギャラリーに改装中です。




受講生の作品発表の場として、また広く多くの方々に絵画・彫刻・工芸作品などの展示・販売の場として活用して頂けたらと考えています。



2022年9月9日金曜日

ゼロから始めて

 今回はアトリエラポルトに通い始めて1年経ったAさんの作品を紹介します。

Aさんはそれ以前にデッサンを習った経験はなく、仕事をされながら週1回(1コマ2.5時間)受講されています。どのデッサンも画用紙に鉛筆で、実物に近い大きさで描いています。
















ゼロから始めて一つ一つ課題を克服していった過程が表れていると思います。このような基礎のデッサンはとても根気のいることですが、絵を成り立たせる上での様々な造形要素を学ぶ事ができます。アトリエラポルトでは、ただ写真のよう似せるのが目的にならないように課題を設定し、オールドマスターの作品や文献などを参考にその解決手段を探すようにしています。Aさんの次回作では、より複雑な形の石膏像から正確なプロポーションを捉え、陰影を整理しながらボリュームを表す事が課題となるでしょう。


2022年8月17日水曜日

デッサンのプロセスと収納ケース:前回の続き

前回紹介した収納ケースに入れたデッサンの一部は次のようなものです。

ロダン作
「ヴィクトル・ユゴー胸像」
木炭紙大画用紙に鉛筆

プロセス1
内接する長方形を描く


プロセス2
直線で大掴みに輪郭を捉える


プロセス3
内側の形の位置を探す


プロセス4
鼻・目などの個々の形をできるだけ直線で表していく。
明暗の境目のラインも決定する。


プロセス5
明暗を3段階に分けて中間のトーンからつける。


プロセス6
暗部の方から描き込んでいく。


プロセス7
石膏の明るさを保ちながら明部を描いて完成。


言うまでもなくデッサンにはさまざまな描き方がありますが、アトリエラポルトでは西洋のクラシカルドローイングを基にしたテキストを参考にして、それを講師が教室で実践できる形にアレンジして伝えています。まだまだ試行錯誤が続いてますが、今回製作した収納ケースの中の作品を叩き台として、より良いデッサンが描けるようになって頂ければと願ってます。

参考にした本の一部

2022年8月3日水曜日

デッサンのプロセスと収納ケース

 今回はアトリエラポルトの講師が制作したデッサンのプロセスと自作の収納ケースを紹介します。


まずは、収納ケースから。
木製で木炭紙大のカードケースが4枚入るように出来ています。



持ち運びができるように取っ手も付いてます。


収納ケースからデッサンを取り出したところです。


専用のスタンドは、このような収納ケースが3台立てかけられます。




これまで参考デッサンの収納はカルトンに入れておいた為、受講生が自由に見ることができませんでした。かといって額装すると場所を取られてしまいます。
この収納ケースはそれらの悩みを解決してくれました。
次回は。その中に収めたデッサンを紹介します。


2022年7月24日日曜日

コレクション:19世紀の絵手本 前回の続き

前回に引き続きアトリエラポルトのコレクションの中から19世紀の絵手本を紹介します。

最初は耳と足の2枚のテキストで、おそらく18世紀に出版されたC-A Jombert:Methode Pour apprendre le dessin.(1755)からのものです。

銅版画でバロック的な躍動感のある線で描かれています。


部分



部分


次は彫刻のデッサンで、いわゆる石膏デッサンのプロセスを表したものです。19世紀のおそらくJulienかDucolletの絵手本からのものだと思います。日本の一般的な石膏デッサンのプロセスとは異なるのが分かります。


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最後は前回と同じ系統の19世紀後半のテキストです。石版画による滑らかなモデリングが美しいデッサンです。

部分


こうしてみると、テキストの表現も時代の趣味が表れていて興味深いです。このようなテキストの模写には賛否がありますが、写真的リアリティが流行りの今、デッサンや絵のリアリティについて再考するには有効だと思います。


2022年7月16日土曜日

コレクション:19世紀の絵手本

 今回はアトリエラポルトのコレクションの中から、19世紀に画学生が使っていた絵手本を紹介します。

以前このブログでも紹介した19世紀後半の代表的な絵手本集「シャルル・バルグのドローイングコース」の翻訳出版(2017年)以来、クラシカルペインティングに興味のある方々の間で、昔の絵手本の存在への関心が高まったように感じます。

アトリエラポルトでは、19世紀に使われていた絵手本の一部を所有して、受講生の参考にして頂いてます。

すべて版画で作られたもので、写真製版とは違うクリヤーな線と繊細なグラデーションが見て取れます。順次このブログで紹介したいと考えてますが、まずは最も保存状態の良いものから。


下側に線で描いたデッサン、上側に陰影をつけてボリュームを表したデッサンが描かれています。作者も制作年代も不明ですが、石版画の技法で描かれていることから19世紀の中頃に作られたものかと推測しています。



線の強弱だけで正確に形を表すことから始め、


陰影をつけることで奥行きや細部の凹凸や前後関係を表し、よりリアルしていく過程が示されています。影は塗りつぶさずにハッチングで描いているのも参考になります。

きっと当時の画学生は、このようなテキストの模写を数多くしたのではないかと思います。現代の美術教育ではこのような模写は否定されていますが、西洋のアカデミックなデッサンを考える上ではとても貴重な資料です。