2011年8月5日金曜日

線から明暗、そして色彩へ

外国でも絵を習われた経験をお持ちのEさんは、これまでに色彩感覚のすぐれた作品を描かれてきました。今回は、明暗法の土台の上に彩色を施すことによって、より一層の空間とリアリティの再現に挑戦されました。









 1.入念に構図を練った後、スケッチブックにキャンバスと同じサイズでデッサンをする。


2.キャンバスにデッサンを、トレーシングペーパーを使って転写し、テールドカッセルで定着させる。









3.テールドカッセルで陰影をつけた後、シルバーホワイトで明部を描き起こす。モチーフをよく見ながら、出来る限り明暗によって、形のボリュームと空間を再現する。










4.基本色のシルバーホワイト、イエローオーカー、レッドオーカー、バーミリオン、ランプブラックで明部の色を置いていく。 暗部は、レモンイエロー、ローズマダー、ウルトラマリン、テールドカッセルの混色で作る。




5、基本色で、どうしても再現できない色調には、そのつど新たに絵具を加えていく。





完成: 週3回で約3ヶ月かけて出来上がりました。明暗と彩色を分けておこなうこのやり方は、時間はかかりますが、確実に仕上がるすぐれた方法です。 Eさんには、初めての体験でしたが、忍耐強く制作に取り組まれた結果、油絵具の特徴を生かした深みのある空間と、輝くような発色の絵になりました。今後の制作のベースになれば幸いです。

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