2011年8月27日土曜日

ポール・セルジエの色彩論によって 1

 ナビ派の画家ポール・セルジエは、日本ではあまり知られていませんが、ゴーギャンから直接影響を受け、ナビ派の方法論を確立した画家としてフランスでは高く評価されています。

 特にセルジエの著書 「ABC de la peinture」(1921年) は、ナビ派の造形理論を知る上で重要な本の1つです。今回Yさんには、この本の第3版(1950年)で,セルジエが友人に宛てた手紙の中で述べている色彩論を、応用して描いてもらうことにました。


セルジエの色彩論のポイントは、絵具を寒色と暖色に分け、それぞれに寒色のグレー(ストロンチウム・イエローと黒と白)と暖色のグレー(アンチモン・イエローとバーントアンバー)を混ぜることによって、濁りのない(発色のよい)中間色を作ることが出来ると考えたところにあります。


これは、20世紀前後の画家達から、反対色(補色など)をパレット上で混ぜ合わせて、中間色作ることが多くなった結果、発色の悪いくすんだ絵が増えてしまったことへの反省があると考えられます。








セルジエの方法は、Yさんにとっても、私たちにとっても未知の部分が多く、はたしてどんな結果になるか、随時制作過程を報告していきます。

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