2013年12月25日水曜日

模写から学ぶ(4) : ジョージ・ロムニー

ロムニーの模写も、いよいよ着色の段階に入ります。

最初に、ルツーセの代わりに、溶き油に少量の色を加えて全体にかけていきます。上層に色がくると消えてしまう程度の色合いですが、全体の感じが掴みやすくなります。

背景から、色を置いていきます。使った絵具は、ランプブラック、ウルトラマリン、シルバーホワイトのみで、下層のグリザイユを利用しながらニュアンスをつけます。

原画の筆触の勢いをまねて、一気に決めていきます。
遠景の緑は、イエローオーカーとランプブラックをベースに、ウルトラマリンを加えて色を合わせます。

服の赤は、この絵の色の主役とも言える色です。原画は、マダーレーキーと推測できますが、残念ながら現在では、本物のマダーレーキ(茜の根からとった染料)は入手が困難です。どのメーカーのマダーレーキも合成染料のキナクリドンに替わっています。それでもメーカーによって若干色合いが異なるので、数種類を比べた結果、レンブラント社のものが絵に一番近い色合いと判断しました。









グリザイユを利用しながら、マダーレーキとシルバーホワイトで、赤い服を描いていきました。
















背景の空と遠景の木と山、そして赤い服がほぼ終わったところです。



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