「デッサンを合理的に、うまく、早く、上達する方法はないか?」 教える側も教わる側も常に考えることだと思います。
そこで作ってみたのが、右のような鉛筆ホルダーです。
市販の金属製鉛筆ホルダーの底を切って、丸材を差し込んで作りました。(簡単です!)
デッサンをモチーフに「似せる」には、離れた位置から、モチーフとデッサンを見比べることが必要です。以前このブログ(2011年7月9日)で紹介した「サイトサイズ法」はそれを徹底した方法です。
今回の鉛筆ホルダーは、画面の大きさに対して適切な距離をとって、常にモチーフと見比べながら描けるように考えたものです。
視野から計算した目から画面までの距離は、横使いなら幅の約1,5倍、縦使いなら高さの約2倍が適切な鑑賞距離です。
例えば、右のデッサン用紙の縦の長さは65センチなので、目と画面との距離(鑑賞距離)は2倍の130センチとなります。ホルダーを使わないと、この距離を保ちながら描くのは不可能です。
画面とモチーフが並んで見えるようにイーゼルを立て、常に両方を見比べながら、細部にこだわらずに大づかみに線で形を取っていきます。
個々の形を描き込む時には、ホルダーをはずして画面を手元に近づけておこなうとよいでしょう。
上の写真は、アンリ・マチスが「ダンス」という壁画を描いている姿です。この鉛筆ホルダーを作るきっかけになったものです。デッサンを勉強中の方は、試して見てはいかがでしょうか? そして常に「離れて見比べる」ことを、お忘れなく!
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