2014年9月20日土曜日

石膏デッサン 光と影の美しさを描きたくて

純白の石膏像にできる光と影は、形と相まってとても魅力的なものです。

今回はアトリエラポルトでデッサンを学ばれているK.yさんが、その光と影の美しさの表現にチャレンジした作品を紹介します。モチーフは「ギリシャ少女胸像」で、実物はパリのルーブル美術館に所蔵されています。


最初に照明の位置を探しました。

ハロゲンスポットライトは、明暗のコントラストが強く出過ぎるので、以前このブログで紹介したスパイラル蛍光灯を使用しました。


光と影の分量が大体同じ位になるようにして、光から影への移行部が魅力的に見えるよう考えました。

描き始めはクラシックなデッサンの原則に従って、線で形を捉えていきました。

アトリエラポルトでは、基礎訓練としての石膏デッサンは、髪の毛の一つ一つのボリュームも手を抜かずに描くようにアドバイスしています。そうすることで、影を付けても形が曖昧にならないようにします。

線で形が取れたら、明部と暗部に分け、暗部全体にハッチングでベースとなる明度の影を均一に付けていきます。

その後、より暗い部分へとハッチングを重ねていき、大きな明暗関係ができたら個々の形をモデリングします。
















「ギリシャ少女」 画用紙に鉛筆 (25.4×30.5)


約20時間で仕上がりました。

光から影への移行部をが美しく見えるように、照明をかなり真横から当てた為に、明部のモデリングに苦労されました。そのせいか表情がちょっと硬い印象になってしまいました。

それでも、陰影の変化と共に細部まで丁寧に形を描き込んだ「努力賞」ものの石膏デッサンです。

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