今回はアトリエラポルトでデッサンを学ばれているK.yさんが、その光と影の美しさの表現にチャレンジした作品を紹介します。モチーフは「ギリシャ少女胸像」で、実物はパリのルーブル美術館に所蔵されています。
最初に照明の位置を探しました。
ハロゲンスポットライトは、明暗のコントラストが強く出過ぎるので、以前このブログで紹介したスパイラル蛍光灯を使用しました。
光と影の分量が大体同じ位になるようにして、光から影への移行部が魅力的に見えるよう考えました。
描き始めはクラシックなデッサンの原則に従って、線で形を捉えていきました。
アトリエラポルトでは、基礎訓練としての石膏デッサンは、髪の毛の一つ一つのボリュームも手を抜かずに描くようにアドバイスしています。そうすることで、影を付けても形が曖昧にならないようにします。
線で形が取れたら、明部と暗部に分け、暗部全体にハッチングでベースとなる明度の影を均一に付けていきます。
その後、より暗い部分へとハッチングを重ねていき、大きな明暗関係ができたら個々の形をモデリングします。
「ギリシャ少女」 画用紙に鉛筆 (25.4×30.5) |
約20時間で仕上がりました。
光から影への移行部をが美しく見えるように、照明をかなり真横から当てた為に、明部のモデリングに苦労されました。そのせいか表情がちょっと硬い印象になってしまいました。
それでも、陰影の変化と共に細部まで丁寧に形を描き込んだ「努力賞」ものの石膏デッサンです。
0 件のコメント:
コメントを投稿