今回は金曜日の夜間に受講されているC.eさんが描いた「ラファエル少女」(アンリ・グレベール作 Henri Grebert 1855~1941)の石膏デッサンを紹介します。
すでにイラストレーターとしてご活躍のC.eさんには、特に「省略と強調」をテーマにアドバイスいたしました。
3次元の世界を2次元の平面に置き換えるのは、本来不可能の事で、必然的にある部分を省略したり、強調して、平面の上でより効果的な表現になるようにしなければなりません。
このデッサンでは背景を省略しているので、その分影の領域を明瞭にして強調し、石膏の白さを表現するようにアドバイスしました。また、明部のグレデーションはできる限り省略して、モデリングによりボリュームを強調するように勧めました。
ラファエル少女(530×450) 画用紙に鉛筆 |
約20時間かけて仕上がりました。
単に形が良く取れたデッサンと言うだけではなく「美しいデッサン」になっていると思います。
それは明暗の配置や分量、正確な形態の把握と適切なモデリングからくるものです。
デッサンの基礎練習は、写真のような対象の引き写しではなく、平面(2次元)に適した方法と手段で対象を再現するところにあります。そのためには、作者が造形的意思を持って複雑で多様な現実の対象(3次元)から必要な要素を選び出し、「省略や強調」を行うことが大切です。
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