2018年9月7日金曜日

三原色から始める

 今回は始めて色を使った油絵にチャレンジした、Y.mさんの制作過程を紹介します。

アトリエラポルトでは、色を使った油絵の練習過程として、最初に三原色だけで描く方法を勧めています。







使用絵具:
イエローオーカ―
レッドオーカ―
コバルトブルー(またはウルトラマリン)
シルバーホワイト
バーントアンバー(理論上は黒ですが、ニュアンスの乏しい鈍い絵になりやすいので、バーントアンバーを使っています。)

鮮やかな色の再現はできませんが、その分、リアルな表現のベースとなる形と明暗(valeur)が捉えやすく、色彩の破たんが起こり難くなります。
また、絵具の混色原理を体感することができるでしょう。






木炭でデッサンをした後、バーントアンバーで定着して彩色に入りました。

最も面積の広い背景を決めてから、モチーフを一つずつ仕上げていきました。





実際のモチーフと比べると、洋梨の緑色と桃の赤色の鮮やかさが使用している絵具では出せませんが、そこを隣り合う色との対比や、明部から暗部へのパッサージュや反射光に、色相の変化を加えることで「感じさせる」工夫をすることが大切です。


最後に一番右側のクルミを描いて完成です。

このように一つ一つモチーフを仕上げていく描き方は、生乾きの状態での制作を可能にし、滑らかなモデリングと発色の良い効果が得られます。反面、モチーフ相互の関係や、全体の統一感を失う恐れもあるので注意が必要です。












初めての色を使った油絵とは思えない出来栄えです。グリザイユをじっくりと勉強してきたことによって、色に惑わされることなく明暗が的確に捉えられています。
色の再現も三原色だけの制約の中では、かなり引き出していると言えるでしょう。
ただ、良く見るとデッサンやきわの処理の甘さが気になりだします。今後の課題です。





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