M.tさんは、アトリエラポルトで絵を学ばれて2年半が過ぎました。
週1コマの受講で石膏デッサンから油彩グリザイユへと、一つずつ時間をかけて課題をこなされてきました。一般的な意味での「油絵」を描くのはこれが初めてですが、デッサンと明暗の捉え方を習得されると油絵の上達が早いのが分かります。
まずは、画用紙にキャンバスと同じサイズで鉛筆デッサンします。
油絵の下書きとしてのデッサンは、形を遠近法に従って正確にとることが目的なので、モチーフの固有の明度を表す必要はありません。
トレーシングペーパーでデッサンを転写した後、バーントアンバーで影をつけてから、着彩に入りました。
使用色は、シルバーホワイトとバーントアンバー(黒の代わり)に、イエローオーカー、レッドオーカー、ウルトラマリン、の彩度の低い三原色で始め、次第に彩度の高いカドミウムイエロー、カドミウムレッド(またはマダーレーキ)を加えていきました。
チェリー・リンゴ・レモン(F6号) |
油彩画の技術の説明をしながら約3か月、コロナ禍で教室を閉める前に完成しました。
いきなり彩度の高いモチーフを選ばれたので驚きましたが、ハレーションを起こすことなくうまく空間の中に収まりました。それはデッサンやグリザイユで練習してきた、色を明度で見る成果だと思います。
いきなり彩度の高いモチーフを選ばれたので驚きましたが、ハレーションを起こすことなくうまく空間の中に収まりました。それはデッサンやグリザイユで練習してきた、色を明度で見る成果だと思います。
これに、デッサンの精度を高めながら、色のニュアンスや響き合いを加えていくことが、次の作品の課題だと思います。
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