2022年6月11日土曜日

楽器を描く

 静物画のモチーフとして昔からよく描かれたのが楽器です。今回は金色の輝きが美しいコルネットを描いた絵を紹介します。制作者は、仕事の傍ら地道に絵を学ばれているMさんです。



構図を決めてデッサンを取った後、バンダイクブラウン(ニュートン社製)とシルバーホワイトでカマイユの手法を使って明暗をつけました。



全体の明暗のベースができたら、対象の固有色を置いていきます。



背景の左側の影のグラデーションは空間を広く取った分、意外に難しくなりました。最終的に額を加える事で右側とのバランスをとりました。





コルネットのある静物(530×333)キャンバスに油彩
使用絵具:
シルバーホワイト、イエローオーカー、ブラウンオーカー、レッドオーカー、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、ウルトラマリン、バンダイクブラウン、バーントアンバー



週1回1コマ(2時間半)の制作で、約5か月かけて仕上げました。達筆で要領よく描かれた絵ではありませんが、形と色を探しながらコツコツと絵具を重ねていった努力が実った作品です。
絵の描く喜びの一つに「発見」があると思います。ちょっとした色合いの違いで質感が現れたり、筆運びの違いで形がはっきりしたり、気がつかなかった形の変化や美しさに気づいたり・・・。
Mさんはこの制作を通じて沢山の「発見」をされたと思います。


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