2013年3月22日金曜日

模写をする 9

H君の模写もいよいよ佳境に入ってきました。








画面全体に一通り色が置けたら、顔の暗部に移ります。
ここで最も難しいのは、明部から暗部への移行部分(パッサージュ)です。古典絵画の多くが、ここを肌色に対して冷たい色調にしています。近代絵画では、これをパレット上で混色して作りましたが、原画のような古典絵画では、画面上での塗り重ねによる、オプティカルグレーで作っています。


H君の模写は、下の層がすでに乾燥している上、暗さが足りなかったので、再びテールドカッセルを置いてから、肌色をかけて、グレーを作りました。










慣れない作業で戸惑いましたが、綺麗な移行部のグレーができたと思います。




















白い襟も、筆触の方向をまねながら、シルバーホワイトに微量のローシェンナを加えて描き起こします。

暗部への移行部分は、やはりオプティカルグレーで作り、白い襟の美しさを出すために、その上からウルトラマリンをグラッシしました。

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