2013年9月11日水曜日

本の紹介 9 : 「ドローイングレッスン」

今回紹介する本は、ジュリエット・アリスティデス著「ドローイングレッスン」(出版:ボーンデジタル、2012年)です。原書は、“Classical drawing atelier”  Juliette Arlstides で、2006年にニューヨークで出版(WATSON GUPTILL)されました。

左が翻訳本 右が原本

この本は、1980年代からアメリカで始まった、過去の名作や美術教育と、未来の芸術との間のつながりを、再構築しようとするムーブメントの中から生まれました。その中心的な役割をしているのが、インターネットのサイト「Art Renewal Center」です。










著者の人体デッサン 

著者のアリスティデスは、シアトル在住の画家で、教育者としても活躍中だそうです。













「自然に存在する黄金比」について


内容は、「古典的理論」と「古典的課題」と「古典的実践」の3つの部分から成っています。
著者の多くの文献に裏打ちされた深い知識と、論理的な実践方法に、感心するばかりです。












「線の種類と用途」について


日本の美術教育で、なおざりにされてきた部分が、具体的な形で表されています。













「石膏ドローイング」について







特に、リアルな絵画表現を目指す人には、必読の書と言えるでしょう。










WATSON GUPTILL出版 2008年


アリスティデスには、この本の姉妹編として「Classical painting ateler」 があります。残念ながら、翻訳されていませんが、やはり素晴らしい内容の本です。(P.S.この本は2014年10月に翻訳出版されました!)


余談ですが、私たちが学生時代に参考書にしていた「油絵をシステムで学ぶ」に繋がる部分が、多くあるのにも驚かされました。たぶん、基にした文献に、同じものがあったのではないかと思います。


橋本博英・飯田達夫 著
美術出版社 1976年

















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