2013年9月18日水曜日

石膏デッサンの描き方に疑問があって 【髭の男】


Kさんが、アトリエラポルトに来てから、3作目になる石膏デッサンを紹介します。


今回選ばれたのは、リュード作の「髭の男」です。この彫刻の実物は、パリの凱旋門の壁を飾っています。

石膏胸像の中でも、デッサンの難度の高いものの1つです。












始めに、陰影の配分や形の見え方を考えて、鑑賞位置と光の当て方を、慎重に選びました。結果、今回はほぼ正面光で、落ちる陰が少ないセッティングになりました。


















パース枠を使って、大きな形と構造を、直線で追っていきます。






線で捉えた形に、モデリングをしてボリュームを与えます。



















Kさんは、前回描き込みすぎて、背景の白地に対して、石膏像が暗い感じになっていたので、このデッサンでは、暗部から描いていき、明部は最後まで残すように、アドバイスをしました。


















髪の毛も髭も、とても複雑で難しい所ですが、「存在する形は、すべて描く」 という、クラシックなデッサンの基本に従って、制作してもらいました。


















髭の男 画用紙(650×500)に鉛筆



素晴らしい石膏デッサンに仕上がりました。週1回午前・午後(5時間)の通しで制作されて、約18時間かかりましたが、この完成度にしては、早い方だと思います。

Kさんの課題だった、石膏の白い表現が十分にできている上に、細部の形まで丹念に描き込んでいます。この上に、モデリングが、個々の形の前後関係を意識して、よりデリケートになれば、もっと良くなることでしょう。

石膏デッサンの描き方に疑問があって、私達のアトリエに来られたKさんですが、基礎としての石膏デッサンの目的には、ほぼ到達していると言えるでしょう。









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