2013年10月16日水曜日

公募展を目指して、大作を描く (1)

油絵を本格的に習い始めて7年(アトリエラポルトに入られて約2年半)になるKさんは、公募展を目差して、年に1枚のペースで大作(100号)を描いています。今回紹介する作品も、昨年10月頃から制作を始め、今年8月に完成、9月に東京都美術館で行われた公募展に入選しました。その制作過程を、振り返ってみます。


大作の制作では、最初にテーマと構図をしっかりと決めておかなければなりません。途中からの変更は、大変な労力がかかる上に、発色の悪い、鈍い感じの絵になる原因となります。

そこで今回Kさんは、アトリエ ラポルトの教室を借り切って、イメージに合わせたセットを組みました。机や椅子のデザインや配置だけではなく、光の方向や影のでき方も重要な構成要素です。家具や照明を何度も動かしながら、構想が固まった段階で、モデルさんに来てもらいました。

モデルさんには、いろいろなポーズをとってもらい、できるだけ多くのエスキースと写真を撮りました。








それらの資料を基に、構図を決め、制作に入りました。
テーマは、刺繍をする女性です。




















シルバーホワイトとバーントアンバーで色付けしたキャンバスを、十分に乾かしてから、木炭と鉛筆で入念にデッサンをします。


















カッセルアースで、デッサンを定着させながら、暗部を置いた後、シルバーホワイトで明部を描き起こしていきました。

















常に、画面全体における明部と暗部のバランスを考えながら、個々の形をモデリングしていきます。











次に、シルバーホワイトとカッセルアースを混色して、中間の明度を決めていきました。






週1回、午前・午後の通しで制作されて、ここまで来るのに約5ヶ月掛かりました。











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