原本は、イギリスのオックスフォード大学プレスから1970年に出版された〝The Oxford Companion to Art” です。
1336ページの分厚い事典の中には、西洋美術のエッセンスが詰まってます。
一般的な辞書としての「引く、調べる」という機能だけでなく、例えば、「美術教育」と引くとその歴史から現代の美術教育の方法論まで、論文を読むような内容になっています。
また、「美術鑑識」や「美術品取引」などのおもしろい項目があったり、「遠近法」「テンペラ」「油彩画」「ステンドグラス」「モールディング」などの技術面も大変詳しく的確に説明されています。
それに、日本では曖昧に使われがちな「プロポーション」や「コンポジション」や「リアリズム」といった言葉を、西洋本来の意味できちっと定義しています。
もちろん、画家・彫刻家・建築家や美術関係の学者についての記載は膨大な量に上ります。
遠近法については、16ページ分もの説明が載っている |
出版からすでに25年が経ち、一度も再販されていませんが、日本では未だに西洋美術の基本文献の翻訳が少ないので、このような辞典はとても貴重なものです。 まさに、画家や美術を学ばれる方にとっての“Conmpanion”です。
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