2014年6月27日金曜日

大きなサイズの静物画を描く 1


アトリエラポルトに来てから3年目を迎えたSさんは、初めて30号の大きな静物画に挑戦されました。リアルな細密描写の得意なSさんが、どのように制作されたかを紹介します。

まずは、キャンバスにできる限り正確にモチーフの形をデッサンします。

ここで注目したいのが陰影をつけていない点です。Sさんほど描きなれてくると、デッサンは設計図を描くように線で形を表し、明暗の境目も線で印をつけて終わりにします。陰影は油絵具で行うことによって、デッサンにかける手間を最小限に減らし、キャンバスも汚さずにすみます。

ダイレクトペインティングの手法を応用して、絵具を置いた所から仕上るつもりで描いていきました。

背景が終わったところです。

次はテーブルに移りました。

テーブルの次は赤い布へと、面積の大きいところから描いていきました。



背景のブルーグレー、テーブルのイエロー、布のレッドというように、大きな色面の対比と組み合わせで対象を捉えるところに、Sさんの物の見方の特徴を感じます。


デッサンから始めてこの段階まで、約20時間です。


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