今回は、パリの街角の風景です。写真を使っての制作になりますが、単なる引き写しではなく、遠近法や構図や色合いを考えながら、思い出の風景を組み立てていきました。
撮ってこられた写真では、遠近が強く感じられたので(多分ズームレンズの広角側で撮った為?)修正しながら直接キャンバスにデッサンしました。
明暗の組み合わせとバランスが造形上のテーマのような風景なので、最初にシルバーホワイトとカッセルアースでグリザイユをして考えました。
建物の窓や柱などは、曲がったり歪んだりすると不安定に見えるので、フリーハンドで難しい所はマスキングテープを使いました。
グリザイユの下書きの上に固有色をかけていきました。
偶然にもグリザイユの透けた色合いの感じが、パリの冬の雰囲気を思わせたので、そのまま利用することにしました。
アクセントに彩度の高い花の色を加えました。
パリの街角 F15号 |
最後に子供の服装の色が決まって色彩感のある絵に仕上がりました。色や明暗や形の組み合わせの工夫が、作為的に見えずに自然な絵の効果になっています。マチエールにもM.Aさんらしさが出ています。
このように、ふと目にした旅先の情景が、消えることのない絵となって残せることは、絵を描ける幸せだと思います。
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