CGクリエーターとしてご活躍のU.tさんは、アトリエラポルトで「手で描く」デッサンを学ばれています。
学生時代に描いたデッサンを拝見すると、すでに描写力は申し分なかったので、教室では主に「見方、捉え方」についてアドバイスをしています。
アトリエラポルトに入られてから2枚目の石膏デッサンに選ばれたのは、フェルギエール作(Alexandre Falguiere,1831~1900)のダイアナ胸像です。その制作過程を紹介します。
バルグの手本集より |
すでに専門的にデッサンを学ばれた経験のあるU.tさんには、教室で使っている参考書の中でも、特にシャルル・バルグの手本集(Charles Bargue“Cours de dessin”) の手順に従って描いて頂きました。それは、「現象的な光と影」を再現するのではなく、「実存する形を描く」という西洋のアカデミックなデッサンの方法論が明確に示されているからです。
線で形を取り、明部と暗部の境を決定した後、現実の明暗を利用しながらモデリングをしていきました。石膏の白さを保ちながらモデリングするには、暗部の配置や明部のモデリングに造形的配慮が必要ことを説明しながらの制作となりました。
石膏デッサン 「ダイアナ」 画用紙(650×500)に鉛筆 |
大変素晴らしい石膏デッサンになったと思います。
ダイアナ像は、一見描き易そうに見えますが、実際に描いてみると形や表情が非常に取りにくい石膏像です。この位きっちりデッサンができたら大したものです。しかも美しい作品に仕上がっています。
ダイアナ像は、一見描き易そうに見えますが、実際に描いてみると形や表情が非常に取りにくい石膏像です。この位きっちりデッサンができたら大したものです。しかも美しい作品に仕上がっています。
アトリエラポルトでは、できるだけシステマチックな指導を心がけていますが、石膏デッサン1つ取っても描く人の個性が表れて、逆に勉強させて頂いている思いがします。
次回は、やはりU.tさんの描いた「面冠女神像」を紹介します。
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