今回はK.yさんの制作過程から、油彩の前段階としてのデッサンの方法の一例を紹介します。
楕円形の絵を描きたいと準備を始めましたが、楕円形や円形は、長方形以上にモチーフの配置に枠の形(曲線)が照応した構成が求められます。
そこで用意された楕円形のキャンバスボードと同じ大きさの画用紙に、木炭を使ってデッサンをして頂きました。
油絵の下書きとしてのデッサンは、綺麗に仕上げる必要はありません。楕円形に合った構図と形態を、消しやすい木炭で何度も修正しながら探っていきました。
左側がトレーシングペーパーにトレースしたデッサン |
木炭デッサンで形と構図が決まったら、フェキサチーフで定着させ、トレーシングペーパーに線を整理しながらトレースします。
トレーシングペーパーに写したデッサン |
キャンバスボードに転写したデッサンを再度モチーフを見ながら修正します。
油絵具によるエボーシュ(荒描き)の際に、形が曖昧になるのを防ぐため、陰影をつけずにできるだけ一本の線で形を表すようにアドバイスしました。
デッサンができたら、いよいよ油絵具でエボーシュをおこないます。
バンダイクブラウン(ニュートン社製)で影をつけていき、シルバーホワイトで明部を描き起こします。
一旦絵具を乾かしてから、固有色を重ねていきました。
ビスクドール(530×330) |
週1コマの受講で約4か月かけてここまで描き進みました。背景の明度設定とニュアンスに描き足りなさが残りますが、構図は楕円形を意識したものになったと思います。写真のトリミングでは学ぶことができない、デッサンの方法と構成の難しさを理解して頂けたら幸いです。
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