今回は現在ギャラリー・エスパス・ラポルトで開催されている常設展の中から、とてもユニークなガラスモザイクによる作品を紹介します。
作者の小黒哲夫氏は、フランス国内で最も権威ある美術学校と言われる国立高等装飾美術学校(École Nationaie Supereure des Arte Decoratifs)の壁画科を卒業され、建築装飾としてのモザイクから絵のように額に入れて部屋にかけられるモザイクまで、幅広い制作を手掛けています。
展示作品で使われているガラスはイタリア製の美しいモザイク用ガラスで、それをガラスカッターやペンチを使って必要な形に切り、板に貼って作られています。
厚さが4~5mmあるガラスを思い通りの形に切るのは難しく、誤差や思いもよらない形になってしまう事がしばしば起こります。しかし、そのように生まれた形を組み合わせながら作っていくところにガラスモザイクのおもしろさがあります。
ビニール袋に入った山型食パン (455×333) |
山型食パンとカマンベール (333×242) |
油絵を描く方は、リアリティ=細密描写と考えがちですが、小黒氏の作品を見ると限定された最小限のガラスチップの組み合わせからでもリアルな表現が可能な事がわかります。
角砂糖 (75×50) |
それは、対象の構造的な把握と的確な明度(Valeur)と配色から生まれたもので、リアルな表現の本質をそこに見る思いがします。まさに、(造語ですが)ミニマム・リアリティの世界です。
コーヒー (75×55) |
この機会に是非ギャラリー・エスパス・・ラポルトでご覧ください。
*ギャラリー・エスパス・ラポルト「常設展」
東京都中央区日本橋小伝馬町17-9 さとうビル1階
営業時間:8:00~19:00
休廊日:土曜・日曜・祝日
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