今回はアトリエラポルトの受講生のKさんから譲って頂いた、19世紀末頃の描画材料を紹介します。
Kさんがこのような画材を集めたのは、19世紀のパリの美術学校で描かれたデッサンに使われていた画材と表現に興味をもたれたからだそうです。
調べていくと、今では使われなくなった描画材料がいろいろあることがわかりました。
入手できた物の中からいくつかを紹介します。
PIEERE NOIRE (ピエールノワール) : 元は天然の鉱物でしたが、それを合成して棒状にした物です。現在パリの美術学校が公開している資料によると、このようなデッサンは、PIERRE NOIREで描いたとされています。
これは、その先を尖らせるために使用したと考えられる砥石。
SAUCE (ソース) : 失われた描画材料で非常に貴重なものです。右側2本のガラス容器が粉末状で、左側が棒状(Le Velours á Sauce)です。これを擦筆につけたり、水に溶いたりして使っていたようです。とても淡く、ベルベットのようなハーフトーンの表現が可能です。
それに使用したと考えられる擦筆。上が現在もある紙製、下がセーム革巻いて作った珍しいものです。
他にも、昔の鉛筆や木炭など興味深いものが沢山あり、これから時間をかけて調べたり試したりするのを楽しみにしています。画材の面からも19世紀のデッサンに迫っていければと考えています。
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