マロジェがデュフィの代表作「電気の精」の制作に技法面で深く関わっていたことはすでに書きましたが、もう1人友人の絵具メーカーの技術者であり化学者のマルク・アヴェル(Marc Havel.1901-198?)の存在を忘れてはならないでしょう。
アヴェルは、1928年にブルジョワ・エネ社(のちにルフラン社と合併してルフラン&ブルジョワ社となる)に化学者として入社します。
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ブルジョワ・エネ社の1900年頃の色見本
マロジェとの親交は、マロジェがアメリカに移住してからも続きます。現在ルフラン社から発売されているメジューム・フラマンやメジューム・ベネチアンやメジューム・ダンパートマンは、マロジェの考えを基にアヴェルが商品開発したものです。
また、アヴェルはアクリルやビニルの合成樹脂を使った新しい絵具の開発も手掛け、ルフラン社から「フラッシュ」という商品名で発売されました。
アヴェルの関心は絵具の材料や技術の研究に留まらず、色彩学や視覚の生理学や心理学にもおよびました。その成果をまとめた本を1974年(“La technique du tableau")と1988年(“Phenomenes physiques et peinture artistique")に出版しています。(つづく)
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