2023年4月4日火曜日

石膏デッサン展

 今回は4月3日からギャラリー・エスパス・ラポルトで始まった「石膏デッサン展」を紹介します。



石膏デッサンは古くから美術教育の基礎的な方法として用いられてきました。石膏像の多くは、ギリシャ・ローマ時代の彫刻から型取りされたもので、ルネサンスから19世紀までの代表的な彫刻も加わります。そこには単にデッサンの技術の習得以外に、古典主義の美意識を学ぶ目的も含んでいました。そのため現代では石膏デッサンに否定的な意見も多く見られますが、アトリエラポルトでは、逆に西洋のデッサンや絵画の本質を探究する手段として重視しています。今回の展示でその成果をご覧頂けると思います。

さらに、シャルル・バルクのオリジナルプレートによる貴重なリトグラフも展示しています。西洋のアカデミックなデッサンについて考える機会になれば幸いです。



2023年3月16日木曜日

暖色と寒色について

 今回は現在ギャラリーエスパスラポルトで開催されているグリザイユ展から、暖色と寒色について考えてみましょう。

「エッ、グリザイユに色があるの?」と思われるかもしれませんが、ここでの暖色・寒色とは、同一色相上の暖かい・冷たいといったニュアンスのことを指します。例えば、赤でも紫に寄った赤は冷たく、オレンジに寄った赤は暖かく感じます。同様にグレーも、アイボリーブラックを使ったグレーは暖かく、ピーチブラックやランプブラックで作ったグレーは冷たく感じます。この違いを利用して、光のあたっている所は暖かいグレー、影は冷たいグレーというように使い分けることで、より豊かなボリュームと奥行き、そして光の輝きを表わすことができます。

次の2点の作品は、1点がシルバーホワイトとアイボリーブラックだけで、もう1点がアイボリーブラックにブルーブラックを加えて描いたものです。



使用絵具:アイボリーブラック、シルバーホワイト

使用絵具:アイボリーブラック、ブルーブラック、シルバーホワイト

画像では分かりにくいですが、寒暖を使い分けた方がより輝きのあるグリザイユになっていると思います。


次のグラデーションは、シルバーホワイトにレッドオーカーとコバルトブルーの混色によってできるグレーの変化を表しています。


このグレーを使って描いた作品が、下の面冠女神胸像です。より寒暖のニュアンスの豊かなグリザイユになっています。

面冠女神胸像(P15号)
使用絵具:レッドオーカー、コバルトブルー、シルバーホワイト




展示の中には、寒暖のニュアンスを使ったグリザイユを応用したエチュードもあります。



このような明暗と色についての考え方は、古典絵画から印象派に至る色使いのベースとなったものです。ギャラリー・エスパス・ラポルトで実際にご覧頂けたら幸いです。

グリザイユ展
3月24日まで(延長)8:00~19:00
休廊日:土曜・日曜・祝日
ギャラリー・エスパス・ラポルト
東京都中央区日本橋小伝馬町17-9(さとうビル1階)





2023年3月3日金曜日

動画:「立ちポーズを描く」2

 動画 「立ちポーズを描く」の2回目をYouTubeにアップしました。

今回は油彩編ですが、着彩に入ってから再びデッサンに戻ったりしています。
現実のモデルさんを見ながら制作すると常に新たな発見や気づきがあるものです。そうした制作過程の様子をそのまま動画にしてみました。ご覧頂ければ幸いです。




2023年3月1日水曜日

グリザイユ展

 今回は27日からギャラリー・エスパス・ラポルトで始まった「グリザイユ展」をご案内します。
一般的にグリザイユ(Grisaille)は古典的油絵制作の工程の1つと考えられていますが、アトリエラポルトではデッサンの延長線上として授業に取り入れています。
現実の空間の再現には明暗(Value)を的確に捉えることが必要です。油絵具はそれに最適な画材であると共に、初心者の方が油絵に慣れて頂くためにもグリザイユは良い練習方法です。
「グリザイユ展」では、アトリエラポルトの受講生がいろいろな方法で描いたグリザイユ作品を展示しています。絵の表現における明暗(Value)の重要性と「美しさ」を考えるヒントになれば幸いです。




グリザイユ展 (モノクロームのエチュード)
会期:2023年2月27日〜3月17日 (8:00〜19:00)   
休廊日:土曜・日曜
場所:ギャラリー・エスパス・ラポルト
   東京都中央区日本橋小伝馬町17-9 さとうビル1階
   TEL:03-6661-0370    
 



2023年2月3日金曜日

固有色の明度を追わないデッサン

 今回はアトリエラポルトの講師が描いたデッサンのプロセスを紹介します。

西洋のアカデミックなデッサンの教則本を調べてみると、デッサンは正確な形を表現する事が重視されていて、対象固有の明度を再現する事はしていないのがほとんどです。
アトリエラポルトでもそれに倣って、基礎のデッサンではモチーフの固有色の明度は追わないで線とi陰影だけでボリュームと前後関係を表すようにしています。
例えば今回のモチーフのセットは次のようなものです。


これをどうデッサンとして仕上げていったかご覧ください。








実際のブドウは暗い紫色ですし、デコポンやクルミにも固有の明度があります。しかしデッサンの練習には固有色の明度を省いた方が形に専念できる上に、背景の白い紙に対して明るさを保ちながらデッサンを仕上げることができます。デッサンを学ばれる方の参考にして頂ければ幸いです。


2023年1月22日日曜日

人物画研究会作品展

ギャラリー・エスパス・ラポルトの新しい展示をお伝えします。

アトリエラポルトが始まってから今年で12年目になりますが、その当初より毎週土曜日の夕方に絵描き仲間が集まって自主的に人物デッサン会をおこなってきました。今回はそこで生まれた作品を展示します。モデルさんを前にして限られた時間内での制作は、写真などの媒体を使った制作では味わえない楽しさと難しさがあります。それぞれの作品を通してそれを感じて頂けたら幸いです。


          




人物画研究会作品展 

場所:ギャラリー・エスパス・ラポルト  東京都中央区日本橋小伝馬町17-9

    ホームページ:http://espacelaporte.net

会期:1月23日~2月17日(8:00~19:00)

休廊日:土曜・日曜・祝日



2023年1月7日土曜日

動画:「立ちポーズを描く」 1

 久しぶりにYouTubeに動画をアップしました。

今回は男性モデルの立ちポーズをアトリエラポルト講師が描いたものです。デッサンと油彩の2回に分けて紹介します。

1回目は中間色の紙に、木炭とチャコールペンシルの白と黒を使って描いたデッサンです。5時間の制作を6分間に短縮してお届けします。