アトリエラポルトに来てから3年目を迎えたSさんは、初めて30号の大きな静物画に挑戦されました。リアルな細密描写の得意なSさんが、どのように制作されたかを紹介します。
まずは、キャンバスにできる限り正確にモチーフの形をデッサンします。
ここで注目したいのが陰影をつけていない点です。Sさんほど描きなれてくると、デッサンは設計図を描くように線で形を表し、明暗の境目も線で印をつけて終わりにします。陰影は油絵具で行うことによって、デッサンにかける手間を最小限に減らし、キャンバスも汚さずにすみます。
ダイレクトペインティングの手法を応用して、絵具を置いた所から仕上るつもりで描いていきました。
背景が終わったところです。
次はテーブルに移りました。
テーブルの次は赤い布へと、面積の大きいところから描いていきました。
背景のブルーグレー、テーブルのイエロー、布のレッドというように、大きな色面の対比と組み合わせで対象を捉えるところに、Sさんの物の見方の特徴を感じます。
デッサンから始めてこの段階まで、約20時間です。