今回は、ギャラリー・エスパス・ラポルトの新しい展示を紹介します。
テーマは「19世紀のある画学生のカルトン」。今から134年前のフランスの画学生のカルトンの中身を展示します。30年ほど前にたまたま友人に誘われて行ったアミアン(Amiens)の蚤の市で見つけた物です。今思えば汚かったカルトンを丸ごと買っておけばよかったと悔やまれますが、その中から比較的状態の良い物をだけを選んで購入しました。
デッサン3枚・手本の版画17枚を、すべて額装して出来たてのギャラリーの真っ白い壁にかけました。時間の隔たりを感じると共に、100年以上前のフランスの1人の画学生の姿が思い浮かびます。19世紀のアカデミックな美術教育に興味のある方には参考になる展示だと思います。
また、現代のアメリカでアカデミックな絵画教育を復活しておこなっているグランド・セントラル・アトリエ(Grand Central Atelier)の教師であり、アーティストのコリン・バリー(Colleen Barry)先生の修行時代の絵も展示します。時を越えて引き継がれる美術教育のあり方について考える機会になれば幸いです。