グリザイユの下書きが乾いたら、ルツーセ代わりに、テレピンで2倍位に薄めた画溶液に、ほんの少しモチーフの色を加えて、全体に塗ります。
こうすることで、作品の色合いの感じが掴みやすくなります。
背景から、色を置いていき、主人公となるゆりは、最後にします。
個々のモチーフの色を置く時のコツは、中間明度の固有色を全体に塗ってから、ハイライトに向かって描き起こしていきます。影への移行部は、下層のグリザイユを生かし、影は、ウルトラマリン、ビリジャン、マダーレーキ、スティルドガラン、などの透明色の混色で作ります。自然に、明部は不透明で厚みがあり、暗部は透明感のある深い表現になります。(詳しくは、2012年11月21日のブログ「模写をする⑦」をご覧下さい)
仕上げに近づくに従って、周囲の色の反映や寒暖のニュアンスを加えていきました。
F10号 「ゆり」 |