今回の「アトリエの道具と画材」は、アトリエラポルトで考案したデッサン用の「測り棒」を紹介します。
対象を正確に再現する事を目的とした基礎デッサンでは、まずは徹底的に「測る」ことが必要です。そこで昔からさまざまな方法や道具が考えられてきましたが、そのもっともシンプルで誰もが使うのが、測るための棒です。
細くてまっすぐな棒ならなんでもよく、竹ひごや編み棒、自転車のスポークや長めの鉛筆でもかまいません。
次の挿絵は、1888年に出版されたエドモンド・ヴァルトンの「デッサン」からのものです。
(Edmond Valton:LE DESSIN 1880)
そこで問題となるのが測り方です。
通常はヴァルトンの挿絵のように、腕を伸ばして測り棒を垂直に立てて基準となるパーツ(人物で言えば頭部)の長さを測り、位置を指で固定して他の部分と比較しながら測っていきます。
しかし指での位置決めはずれやすいので、それがもとでデッサンが狂うことがしばしばおこります。
そこで、アトリエラポルトでは、竹ひごに釣り具用のゴム管を通して可動式の目印をつけた測り棒を考案しました。
この「測り棒」だといったん決めた基準が動かずに定規のように使えます。
前回配信した動画の中でも使っているので、ご覧頂ければ測り方が分かると思います。