今回紹介するデッサンは、Tさんが初めて描いたデッサンです。
アトリエ・ラポルトでは、初心者の方には、まず遠近法の原理と作画法を説明した後、右のような白い静物(講師の手作りです!)や幾何形体を、遠近法の理論に従って、固定した視点から枠(画面と同じサイズ)を透して描くように薦めています。
Tさんにも、白いモチーフから描きたい物を選んでもらって、講師が配置をアドバイスしながら、初めてのデッサンがスタートしました。
画材は、F10号サイズの画用紙に鉛筆(B2)と練り消しゴムだけです。
鉛筆デッサン |
約20時間かけて仕上げました。初心者には、とにかく多くの枚数を描くように指導する教室が多いと思いますが、アトリエ・ラポルトでは、「描き方」や「見方」を説明しながら、1枚をじっくりと描いてもらっています。その方が私たちの経験から言って、結果的に上達が早いからです。西洋のアカデミーでも、1枚のデッサンをかなりの時間をかけて描かせていたと伝えられています。
Tさんは、仕事で建築図面を描いているだけあって、初めてのデッサンとは思えないほど、丁寧に形を表現することができました。時間はかかっても、この位描けると描き手の満足度も高いと思います。まずは、「順調な滑り出し」というところではないでしょうか。