今回はワイプアウト技法による油絵の下書き方法を紹介します。
ワイプアウトは、画面全体に素早く明暗を付けるのに便利な方法です。
実践して頂いたのはアトリエラポルト4年目のSさんです。
ワイプアウトをおこなうには、事前に構図も含めたデッサンができていることが必要です。
それを、油絵具の溶剤で取れないように、顔料インクのボールペンかフェルトペンでキャンバスに定着します。
使用する絵具は、堅牢で乾きの早いものを選びます。今回はバーントアンバーを選びました。
少量をキャンバスに直接出します。
円を描くようにして均一に塗ります。
濃さは好みでかまいませんが、ベッタリ塗り過ぎると乾きが遅くなる上に上層の色に影響を与えるので、薄く明るめに塗るのがコツです。
細かい箇所は、綿棒を使うとよいでしょう。
ワイプアウト技法による下書きができました。
円を描くようにして均一に塗ります。
ボロ布を使って明るい部分を拭いていきます。
明るい所が拭き取れたら、影などの暗い部分を同じ絵具で加筆して終わりにします。
ワイプアウトは筆よりも早く塗れ、対象の明暗関係を大づかみ捉える下書きに適しています。