まずは、木炭から。
木炭はおそらく最古の画材と言ってもよく、その歴史は原始時代まで遡れると思います。安価で黒く、,柔らかくて伸ばしやすく、すぐに消せる木炭は、デッサンや下書きなどに洋の東西を問わず古くから使われています。
上の2つがルフラン製、下の2つがフォアネ製 |
現在日本でも数多くの木炭が売られていて、たとえば伊研の商品カタログには30種類を超える製品が載っています。ところが、ほとんどの木炭が木の枝や幹材を焼いたもので、丸くて中心に粉状の芯があります。木炭デッサンで細部を描こうとすると、この芯が邪魔になって描きずらい経験をされてた方が多いのではないでしょうか?
右はフランスで買った木炭です。特に意識して選んだ訳ではありませんが、開けてみるとどれも角材を焼いて作ったものでした。
以前イタリアのフィレンツェにあるエンジェル・アカデミー(Angel Academy of Art)で学んでこられた方から、そこで使っていた木炭を見せて頂きましたが、やはりすべて角材でした。
角材は芯ができないので先端を細く削って使うことができます。フランスでは、硬さと太さの違いで数種類のものが売られています。
日本ではいつから丸い芯のある木炭が主流になったのでしょうか?
右はたぶん唯一の日本製角木炭です。伊研から発売されていて(ウコギ材、No.800)、硬さは中程度です。木炭の芯でお悩みの方にはお勧めです。
次にチョークです。
西洋の昔の画家のデッサン集を見ていると、使用画材によくチュークとでてきます。そこで白墨を買ってきて使ってみると、粉っぽくってつきが悪く、うまくいきません。結局、白コンテか白のパステルで代用することになります。そんな経験された方いませんか?
ところが、フランスのスーパーで買ったチョークは日本の白墨とは別物でした。
上:日本の白墨 下:フランスのチョーク |
白墨より細身で、硬くて、粉っぽくありません。黒板で使ってみると、粉がでず、滑らかに伸びて書きやすく、チョークの減りも少ないのに驚きました。デッサン用紙の上でも同様で、木炭と同じ位の定着力を持っています。また、暗く地塗りしたキャンバスにデッサンするのにも最適です。
製造方法は判りませんが、フランスのチョークは天然の白亜で作っているそうです。暖か味のある象牙のような色合いです。
イタリアのFILA社のチョーク 製造はフランスのシャンパーニュ地方 |
残念ながら日本では意外に手に入らないものです。フランスに旅行した時のお土産にお薦めです。町中にあるスーパーで、一箱10本入りが200~300円位で簡単に買うことができますよ。