2016年9月24日土曜日

中間色の紙に描く石膏デッサン


今回は久しぶりに中間色の紙に描いた石膏デッサンを紹介します。

画材:
木炭(伊研No.800.830.980.)
黒チャコール鉛筆(GENERALl社製6Bソフト)
白パステル鉛筆(FABER CASTELL社製ミディアム)
白チョーク(FILA社製)
ミタント紙(キャンソン社製)
擦筆、セーム皮、練り消しゴム

石膏像は、バルバローニ作の少女像です。 


まずは木炭で石膏像を線によって捉えていきます。

日本で一般的に行われている木炭デッサンでは、陰影で捉える方法が主流ですが、形が曖昧になりやすい上に、今回のように白チョークを使うデッサンでは、木炭が混ざって汚くなります。




全体を明部と暗部に大きく分けて、暗部から描き進め明部へと移っていきます。

明部は白チョークを使いますが、ハイライトを中心とする最も明るい所から置いていきます。


セーム皮や擦筆を使って、白チョークを紙に馴染ませながらモデリングをしていきます。細部や細い線を引きたい時には白のパステル鉛筆を使います。

このデッサンでは背景は描かずに中間色の紙の明度を残しますが、机の面は石膏像の周囲だけ最小限度の光と影を描きの空間の暗示をおこないます。


















バルバローニの少女 (272×224)



このような手法の石膏デッサンは19世紀の後半の西洋の美術学校で行われていて、ピカソ初期のデッサンにもその例を見ることができます。

ピカソ作(1895年)














作者のO.yさんは中間色の紙に描くのは初めてで、白チョークによるモデリングに苦労されました。結果として個々の形のボリュームが少々甘くなりましたが、この手法による効果が良く表れたデッサンになったと思います。