今回は、コロナ禍で長らく休まれていたKさんの復帰後の第1作を紹介します。 久しぶりの制作なので、遠近法の枠を使ってデッサンをしてから油彩に入りました。
この挿絵は、20世紀の前半にパリの美術学校で遠近法を教えていたオルマの著書( P.Olmer: Perspective artistique.1943)からのもので、アトリエラポルトではこの方法をデッサンの授業に取り入れてます。遠近法の枠の設置は、単に形が取りやすくなるばかりではなく、遠近法の原理を理解するのに役立ちます。
油絵に入る前の段階としてのデッサンなので、モチーフの形をメインにして現実の明度(value)の再現はしていません。
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画用紙に鉛筆 (転写できるようにキャンバスと同じサイズの紙にデッサン) |
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花とぶどうのある静物(F4号)
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久しぶりの油絵で修正を繰り返しながらの制作になりましたが、モチーフを見ながら真摯に描き込まれた良い作品になったと思います。ただ絵具の混色に戸惑いがあったせいか、発色が鈍いのが気になります。最小限の色数を混ぜて目的の色が出せるように心がけると良いでしょう。