公募展などに毎年出品されている方は、取り付けた額が傷んで戻ってきた経験があると思います。
今回は、右の写真のように、額の一部が欠けた時の簡易な補修方法を紹介します。
まずは、欠損部分をパテで再生する必要がありますが、そこでお勧めなのが木工用のエポキシパテです。
接着力が強い上に、速乾性(約30分で硬化)で乾燥によるパテの体積の変化も起こりません。乾燥後は、彫刻刀や紙やすりで削れます。
二層からなる円筒形のパテを、使う分だけカッターで切り取ります。
それを指でよく練って混ぜ合わせると硬化が始まります。
(注:エポキシパテは、皮膚につくとかぶれる場合があるので、保護手袋すること)
10分以内に欠損箇所にパテを押し付けます。
その後30分ほどで固くなりますが、その間にへらや彫刻刀を使ってオリジナルのレリーフに近くなるように成形します。
固まってからは、紙やすりなどを使って仕上げます。
今回は黒縁なので、色合わせにはアクリルガッシュを使いました。
アクリルガッシュは、乾くとマットになりますが、艶のない状態からニスやワックスなどを使ってオリジナルの光沢に合わせます。
黒の額ですが、下地にベンガラ色(ここではバーントシェンナを使用)を塗っておくと深みのある黒になります。
乾いてから黒(アイボリーブラック)を塗ります。
オリジナルがそれほど強い光沢がないので、今回はウールで磨いて艶を合わせました。
完成。
オリジナルと比べると荒い作りですが、簡易な補修としてはこの程度で十分です。
100号の額なので、ほとんど気にならないと思います。