今回は久しぶりに本の紹介をします。
最近大きな書店の美術書のコーナーに行くと、何種類もの美術解剖学の本が並んでいて驚かされます。油絵の描き方や技法書の類の出版物が少ないのに比べると、ブームのようにさえ感じます。
アトリエラポルトの蔵書から |
その中で最もお薦めなのが「スカルプターのための美術解剖学」の3冊です。
著者はアルディス・ザリンスとサンディス・コンドラッツ、出版社はボーンデジタルです。
左から、1巻が「人体全体の解剖学」2巻が「表情編」3巻が「頭頚部編」 |
題名からすると、彫刻家やフィギュアー作家 のための解剖学本と思われそうですが、むしろ絵を描く方に最適な内容と言ってよく、CGの技術を使った正確で分かりやすいイラストで説明されています。
特筆すべきは、単に骨や筋肉の説明だけではなく、造形上どのように人体を捉えると良いかまで解説されている点です。
難を言うと、3冊買うと19,000円と値段が高い点です。でも、内容的には十分価値のある本です。1冊買うなら1巻目の「人体全体の解剖学」、肖像画を描く方には3巻目の「頭頸部編」が良いでしょう。美術解剖学書で迷われたらこの本です。