この金槌もフランス製で、かなりの“スグレモノ”です。
長さ30cm、幅12,5cmで、取っ手を中心にシンメトリーなデザインは、美しいだけではなく、実用上の理由があります。
片方が、釘を打つ面で、直径1cmの細身です。
もう片方は、磁石になっていて、手を使わず、直接釘を取ることができます。
釘をくっつける |
金槌をたたく側に返して、 打ち込む |
キャンバスに軽く打ちつける |
ついでに、釘(タックス)について。
写真は、左から2本が、日本製で真鍮と一般的に使われているタックス、次の2本が、フランス製で、銅と鉄のタックスです。
ここで注目していただきたいのが、長さの違いではなくて、その形状です。
フランス製のタックスは、芯が正方形に面取りされている上に、付け根の所から四方に山が作られています。このことにより、キャンバスを点ではなく面でしっかりと木枠に押さえつけ、強い張力をかけても破れ難くしています。
1mmにも満たない僅かなところですが、伝統から生まれた知恵を感じさせます。