今まで、実際にモチーフを置いて、見て描くことをしていなかったそうなので、まずは、キャンバスと同じ大きさ(F10号)の画用紙に、遠近法の枠を使って、じっくりと鉛筆デッサンしてもらいました。
出来上がったデッサンを、トレーシングペーパーを使って、キャンバスに転写した後、バーントアンバーとシルバーホワイトで、明暗を付けていきました。
下描きが、ほぼ出来た状態です。
細かく描写する必要はありませんが、この時点で、明暗の組み合わせやバランスが、取れていることが必要です。
三原色の混色によって、対象の色を作っていきます。慣れるまで、思うような色ができませんが、色の混色原理を学び、明暗法に従って彩度や色調を変化させる練習として、とても有効な方法です。
基本色は、黄色がイエローオーカー、赤色がレッドオーカー、青色がコバルトブルーで、これにシルバーホワイトで明るさを調整します。
そして、より鮮やかな色が欲しい場合は、カドミウムイエロー、カドミウムレッド(またはクリムソンレーキ)、より暗いトーンが欲しい場合は、バーントアンバーとウルトラマシンを加えました。
F10号 花のある静物 |
初めて描いた三原色による油絵ですが、さすがベテランだけに、すぐにやり方を理解され、形や色のメリハリの効いた、とても良い作品になりました。少ない色数でも、意外に多くの色が作れるのに驚かれたと思います。現在画材店に行くと、どのメーカーも100色以上の絵具を販売してますが、そこから綺麗な色を選んで描いてみても、現実空間の中にあるモチーフの明度や彩度に合っていないとリアルな絵にはなりません。アトリエ ラポルトでは、まずは、三原色から絵具を選び、必要に応じて、絵具を足していくように薦めています。
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