2013年6月19日水曜日

女性美を描く

女性の美しさは、昔から絵を描く強い動機となったものです。
Mさん(6/7のMさんとは別の方です)も、若々しい女性の美しさをテーマにしたいとのご希望で、今回は個人的にモデルさんをお願いして、女性像に挑みました。



女性像を描く時は、どうしても顔に関心がいってしまいますが、良い作品にするには、構図とポーズが重要な要素になります。今回は、モデルさんに時間がなかったので、とりあえず様々なポーズを写真に撮って、その中からキャンバスの形に合わせて再構成しました。


デッサンができたら、バーントアンバーとシルバーホワイトで、明暗をつけていきました。













白いシャツに対して、黒い髪の毛と、本の影と、椅子の暗い領域をどのように配置するかが、構図の重要なポイントです。



















色をつけていきます。
色の混乱を防ぐために、三原色をベースに現実の色の再現を試みます。使用した絵具は、イエローオーカー、レッドオーカー、コバルトブルーです。これに、必要に応じて、彩度の高い色や褐色系の絵具を加えていきました。

















形が曖昧にならないように、輪郭を直線的に捉えるようにしてもらいました。また、光と影の境目も、意図的にはっきりさせています。

















P10号
実際にモデルさんを前にすると、見れば見るほど明暗や色合いが無限に変化して感じます。それをすべて絵具に置き換えるのは不可能です。(写真を使うとそれが可能のように思えてしまいますが・・・) そこで、必然的に「選択」とか「省略」とか「単純化」とか呼ばれる絵画的な作業が生まれます。リアルな表現を目指すMさんですが、形や空間が曖昧になりがちだったので、今回はあえてこの点を重視して描いてもらいました。結果的に、生々しい女性美の表現にはなりませんでしたが、構成とマチエールのしっかりした、魅力的な絵になったと思います。



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