2023年1月22日日曜日

人物画研究会作品展

ギャラリー・エスパス・ラポルトの新しい展示をお伝えします。

アトリエラポルトが始まってから今年で12年目になりますが、その当初より毎週土曜日の夕方に絵描き仲間が集まって自主的に人物デッサン会をおこなってきました。今回はそこで生まれた作品を展示します。モデルさんを前にして限られた時間内での制作は、写真などの媒体を使った制作では味わえない楽しさと難しさがあります。それぞれの作品を通してそれを感じて頂けたら幸いです。


          




人物画研究会作品展 

場所:ギャラリー・エスパス・ラポルト  東京都中央区日本橋小伝馬町17-9

    ホームページ:http://espacelaporte.net

会期:1月23日~2月17日(8:00~19:00)

休廊日:土曜・日曜・祝日



2023年1月7日土曜日

動画:「立ちポーズを描く」 1

 久しぶりにYouTubeに動画をアップしました。

今回は男性モデルの立ちポーズをアトリエラポルト講師が描いたものです。デッサンと油彩の2回に分けて紹介します。

1回目は中間色の紙に、木炭とチャコールペンシルの白と黒を使って描いたデッサンです。5時間の制作を6分間に短縮してお届けします。




2022年12月11日日曜日

19世紀のある画学生のカルトン

 今回は、ギャラリー・エスパス・ラポルトの新しい展示を紹介します。

テーマは「19世紀のある画学生のカルトン」。今から134年前のフランスの画学生のカルトンの中身を展示します。30年ほど前にたまたま友人に誘われて行ったアミアン(Amiens)の蚤の市で見つけた物です。今思えば汚かったカルトンを丸ごと買っておけばよかったと悔やまれますが、その中から比較的状態の良い物をだけを選んで購入しました。

デッサン3枚・手本の版画17枚を、すべて額装して出来たてのギャラリーの真っ白い壁にかけました。時間の隔たりを感じると共に、100年以上前のフランスの1人の画学生の姿が思い浮かびます。19世紀のアカデミックな美術教育に興味のある方には参考になる展示だと思います。

また、現代のアメリカでアカデミックな絵画教育を復活しておこなっているグランド・セントラル・アトリエ(Grand Central Atelier)の教師であり、アーティストのコリン・バリー(Colleen Barry)先生の修行時代の絵も展示します。時を越えて引き継がれる美術教育のあり方について考える機会になれば幸いです。






       






「19世紀のある画学生のカルトン」展
会期:2022年12月12日~2023年1月13日(8:00~19:00)
休廊日:土曜・日曜・祝日、12月27日~1月4日
場所:ギャラリー・エスパス・ラポルト
   東京都中央区日本橋小伝馬町17-9
   TEL:03-6661-0370


2022年11月30日水曜日

正12面体を描く

今回は正12面体を描いたデッサンを紹介します。

 正多面体は古代ギリシャの哲学者プラトンが「万物を形づくる最も美しい形」と考えていたことから、ルネサンス時代からそれを遠近法を使って再現する試みがおこなわれてきました。

中でもルカ・パチョーリ(Luca Pacioli:1445-1517)の「神聖比例」論の中の挿絵が有名で、作者はレオナルド・ダ・ヴィンチと考えられています。

ルカ・パチョーリ(神聖比例)
Luca Pacioli “De divina proportion" 1509
*画像は後の時代に出版されたフランス語版

その中のいくつかを載せてみます。






文化的土壌の違う私達には、このような幾何形体に「美」を求める考えに違和感を感じるかも知れませんが、古典絵画はもとよりセザンヌからキュビズム、そして抽象絵画にも通じる西洋美術の根底にある思想と言えるでしょう。

ダ・ヴィンチがこれらの挿絵を描くにあたっては、平面図から遠近法の理論を使って立体的に再現していると考えられますが、Aさんは実物を見てデッサンしました。

正5角形は黄金比を生む神秘的な形として昔から知られていましたが、それが12面で出来た立体は複雑です。正確に描くには形の幾何学的性質と遠近法の理解が必要です。

制作者のAさんには、事前に多角形の作図法を学んで頂きました。


通常の石膏像のデッサンと同じように、線で形を捉えてから陰影をつけます。


光の方向に対するそれぞれの面の角度による微妙な陰影の変化を加えて完成しました。


正12面体 (画用紙に鉛筆)


このようなデッサンは絵画制作と結び付きにくいと考えられがちですが、遠近法の理解に役立つ上、ギリシャ時代から流れる西洋の美意識を知るヒントを与えてくれると思います。


2022年11月18日金曜日

ギャラリー エスパスラポルト「鳥越一穂展」

 ギャラリー エスパスラポルトの開廊記念の展覧会「鳥越一穂展」が始まりました。






鳥越氏が在廊中(11月25日まで)は絵の制作の実演も見ることができます。


また、油絵具の基底材としての銅板についての研究パネルの展示もしています。


油絵の材料や技法についての質問にもお応えしますので、是非この機会にお立ち寄りください。

*鳥越一穂展  
  会期:11月15日~12月4日 (会期中は休みなし)
  時間:10:00~19:00
  場所:ギャラリー エスパスラポルト
            東京都中央区日本橋小伝馬町17-9



2022年11月12日土曜日

ギャラリー エスパスラポルト オープニング記念「鳥越一穂展」

 アトリエラポルトのギャラリー「Galerie Espace La Porte」がいよいよ11月15日から正式にオープンします。

その記念としてアトリエラポルトの支援者のひとりでもある画家で技法研究家の鳥越一穂氏の作品展を開催します。


西洋の古典絵画の技法をベースにリアリスティックな表現を追求してきた鳥越氏は、近年トロンプルイユ(trompe-l'oeil:だまし絵)の手法による作品を発表しています。写真とは違う油絵ならではのリアリティを感じて頂けると思います。

また、絵画材料に詳しい氏は、油絵具の理想的な基底材として銅板に着目し、その研究成果を横浜本牧絵画館で展示・発表しています。今回はその時の内容の一部も展示します。銅板に油絵具で描いた絵の美しいマチエールをご覧ください。



なお、鳥越氏は在廊中に油彩画制作の実演も行う予定です。技法や画材に興味のある方は、この機会に是非お越しください。



2022年11月5日土曜日

コレクション:コリン・バリーさんのアカデミックな人物画

 この度、縁あって現代アメリカのリアリズム絵画を代表するアーティスト、コリン・バリーさん(Colleen Barry)の修行時代に描いた絵を譲って頂くことができました。


コリン・バリーさんは、古典絵画をベースに新しい表現を目指すアーティスト達(Jacob Collins, Scott Waddellなど)に学び、現在ニューヨークのグランドセントラルアトリエ(Grand Central Atelier)で主にドローイングと美術解剖学を教えています。


この作品は、18~19世紀のフランスを中心とする美術教育の規範に忠実な作品となっています。

美術解剖学に基づいた正確なデッサン、繊細な明暗と色彩の変化によるモデリング、正方形の画面に三角形のコンストラクションを用いた構図、対象を徹底的に見て捉えたリアリティ、絵具の透明・不透明の使い分けなど、そのレベルの高さに驚くばかりです。



バリーさんから頂いたメールには次のように書かれてました。

“This academic work helped me on my journey so much and I hope it will inspire students at the Atelier La Porte! "

(このアカデミックな仕事は私の遍歴にとても役立ち、そしてアトリエラポルトの受講生達にインスピレーションを与えることを願ってます。)

バリーさんの願いに応えるべく、この絵を基礎技術の目標として少しでも近づけるように努力していきたいと思います。