2011年6月10日金曜日

作品の紹介 3

 ご自宅でバラ園をされているKさんは、以前から花を描きたかったそうですが、油絵は制作に時間がかかるので躊躇されていたそうです。そこで今回は、短時間で描ける油彩スケッチの方法についてアドバイスしました。

ミューズ社製 キャンバスペーパー
ブロック状で使いやすい
基底材は、キャンバスに代えて、キャンバスペーパーをお奨めしました。キャンバスペーパーは安価な上、吸収性が高いので塗り重ねがしやすい利点があります。反面、ツヤ引けしやすく、脆い欠点がありますが、スケッチの練習には最適だと思います。










 明るい色合いがお好みのKさんには、お持ちの油絵具の中から、ビビットトーンの系列に近い8~10色を選んでいただき、それに白を加えてパレットに並べました。

 例)カドミウムイエロー(またはレモンイエロー)、カドミウムオレンジ、カドミウムレッド、ローズマダー、コバルトバイオレッド、コバルトブルー、ウルトラマリン、ビリジャン、カドミウムグリーン、シルバーホワイト


溶き油は、リンシード油に樹脂を加えた、濃い目のものを使いました。


鉛筆でデッサンした後、ウルトラマリンに少量のローズマダーを混ぜてデッサンをなぞり、大まかに陰影をつけておきます。

 そしてパレット上で対象に近い色を混色して、直接キャンバスペーパーに置いていきす。


                          
 細部にこだわらず、大きな形とボリュームを追っていきます。筆触の方向性や色のニュアンスで対象の質感を暗示させます。

 
 2回分(5時間)で、出来上がりとしました。どこで筆を擱くかは誰しも迷うところですが、スケッチの場合は、多少の塗り残しやデッサンの荒さが目立っても、対象の印象が表現できたら終わりにしてかまいません。そこにスケッチのおもしろさがあると思います。

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