市販の油性キャンバスは、ダイレクトペインティングや古典絵画などのように、油絵具を生乾き状態で塗り重ねていく技法では、絵具の油の吸収性が弱く、樹脂を加えるか、ある程度乾かないと、下の絵具が動いて塗り重ねができません。その点、水性の地塗りは油を吸収し絵具が固くなり(乾燥はしていませんが)、すぐに塗り重ねが可能な状態になります。
水性の地塗りには、さまざま方法がありますが、なかでもグザビエ・ド・ラングレが薦めている白亜(ブラン・ド・ムードン)と兎の膠のよる処方は、油絵具との相性もよく、理想的な地塗りといえるでしょう。ただし、キャンバスなど布製の柔らかく収縮のしやすい基底材は、ひび割れや剥離を起こす原因となるので、木製の硬質な基底材が必要です。
白亜と膠水(10%) |
用意するもの
・兎膠(トタン膠)または皮膠 10g
・水 100cc
・白亜 40g
・MDボード(10㎜厚)F4号サイズ
・筋入りハトロン紙
板状の皮膠 |
*板状の膠は、砕いて水に一昼夜つけた後、湯煎して溶かす。
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