2012年3月16日金曜日

油絵の簡単な洗浄方法

古い絵や壁に掛けっぱなしの油絵の簡単な洗浄方法を紹介します。
ただし、くれぐれも注意して頂きたいのは、洗浄したい絵にしっかりとニスが塗られていることが前提条件です。ニスの塗られていない絵に、下記の方法で洗浄すると、汚れが絵具層に浸み込んでしまい取り返しのつかない事態になりかねません。



用意するもの:

洗浄液(精製水に濃度28%のアンモニアを2%加えたもの)
脱脂綿、
細い棒(ここでは編み棒を使用)






















柔らかい刷毛で画面上のほこりを掃った後、綿棒に洗浄液を含ませ(つけ過ぎないように)、目立たない隅の方から慎重に始めます。


綿棒は、円を描くように動かし、脱脂綿が汚れたらすぐに取り換えるようにして下さい。


一ヶ所を時間をかけてしつこく洗うことを避けて、水分を飛ばしながら進めていきます。


















今回使用した洗浄液は、最も弱い洗浄液ですが、それでも稀に絵具がとれる状態の油絵もあるので、汚れの付いた脱脂綿を常にチェックして下さい。 もし絵具の色がついたと思ったらすぐに洗浄を中止します。

また、凸凹したマチエールの絵や、ひびの入った絵は、絵具が脱脂綿に引っかかって取れてしまう恐れがあるので注意が必要です。

















洗浄した部分です。
























洗浄が終わった絵。






ニスを取っていないので黄ばみは残りますが、全体的に明るくなり、細部の色のニュアンスが表れました。

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